どんな症状が出るの?

初期症状
説明

多くの患者さんは「レイノー現象」ではじまります。

患者さんの半数以上ではじめにあらわれる症状は「レイノー現象」です。レイノー現象は、冷たいものを触ったときや緊張したとき、寒い場所などで、指先が突然白くなったり、紫色になったりする現象です。血管が一時的に収縮して、指先の血流が少なくなるためにおこり、白→紫→赤や白→紫などと変化します。

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レイノー現象

指先が白→紫→赤と変化します。白→赤白→紫紫→赤の2色の変化の場合もあります。時間がたつと元に戻ります。

痛みやしびれなどを伴うこともあります。

また、指先のむくみやこわばり、胸やけがする、食べものがのどにつかえる、爪のつけ根(あまかわ)に内出血がいくつもみられる、手指の皮膚が硬くなる、関節が痛む、疲れやすいといった症状が、はじめにあらわれることもあります。(参考:「 症状から考えられること 」)

主な症状
説明

患者さんによって、からだのいろいろな臓器に、さまざまな症状があらわれます。

全身性強皮症では、いろいろな臓器に症状がみられますが、どの臓器に症状があらわれるか、どれくらいの症状なのかは、ひとりひとりの患者さんで異なります。そのため、定期的に検査を受けて、継続的にからだの状態を把握することが大切です。また、気になる症状があらわれた場合は、すぐ医師に相談してすみやかに対処することが重要です。

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皮膚の症状
説明

皮膚の代表的な症状は、だんだん硬くなる「皮膚硬化(ひふこうか)」です。

手や足の指先から皮膚がだんだんと硬くなり、からだの中心に向かって進んでいきます。多くの場合、左右同時におこります。皮膚が硬くなるスピードや範囲は、患者さんごとにさまざまです。指の関節が曲がったまま伸ばしづらくなる「手指屈曲拘縮(しゅしくっきょくこうしゅく)」になることもあります。顔の皮膚が硬くなると、口が開きづらくなる「開口障害(かいこうしょうがい)」や、「口の周りのしわ」があらわれたり、顔の表情が作りづらくなる仮面様顔貌(かめんようがんぼう)になることもあります。

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手指屈曲拘縮

皮膚が硬くなって指が 曲がったまま伸ばしづ らくなります。

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開口障害

口の周りが硬くなって口が開きづらくなります。

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口の周りのしわ

口の周りにしわができてきます。

血管の障害によって、指先などにさまざまな症状があらわれます。

血管の障害によってあらわれる症状のうち、最も多いのは「レイノー現象」で、患者さんの90%以上でみられます。また、爪のつけ根(あまかわ)に「爪上皮出血点(そうじょうひしゅっけつてん)」とよばれる内出血がいくつもあらわれたり、手のひらやくちびるの内側に「毛細血管の拡張」がみられます。血管の障害が重症化すると、指先に「陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)」とよばれるへこみや「潰瘍(かいよう)」ができることがあります。

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爪上皮出血点

爪のつけ根(あまかわ) に複数の内出血があらわれます。

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毛細血管の拡張

手のひらやくちびるの内側などに毛細血管の赤い斑点がみられます。

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陥凹性瘢痕と潰瘍

小さくへこんだ傷跡のような瘢痕や潰瘍ができることがあります。

肺の症状
説明

「間質性肺疾患(かんしつせいはいしっかん)」が全身性強皮症患者さんの半数以上にみられます。

全身性強皮症の患者さんの半数以上で、「間質性肺疾患」がみられます。間質性肺疾患は、肺にさまざまな原因による炎症が起こり、肺の間質(かんしつ)が厚く硬くなって(線維化)、肺がふくらみにくくなったり、ガス交換がうまくできなくなる病気です。

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肺は、呼吸で取り込んだ酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)をしています。呼吸によって吸い込まれた酸素は、肺胞という小さな袋にたどり着きます。肺胞では、酸素と二酸化炭素が、肺胞の壁の部分である「間質」を通って交換されます(ガス交換)。患者さんの肺では、線維化によって間質が硬く厚くなって、酸素や二酸化炭素が通りにくくなり、ガス交換がうまくできなくなってしまいます。また、呼吸をしても肺がふくらみにくくなり、肺活量も低下してしまいます。その結果、呼吸により血液中に取り込まれる酸素の量が減るため、からだの中の酸素が不足して息苦しくなります。

間質性肺疾患の主な症状として、長く続く咳である「空咳(からせき)」が出たり、からだの中の酸素が不足することで「労作時の息切れ(ろうさじのいきぎれ)」があらわれたりします。

「空咳」といわれる痰(たん)の出ない長く続く咳が出てきます。また、からだの中の酸素が不足することで、坂道や階段などの軽い運動で息切れがする「労作時の息切れ(ろうさじのいきぎれ)」があらわれます。病気が進行すると、疲れやすくなって、着替えや入浴といった「日常の軽い動作での息切れ」によって日常生活に支障が出ることもあります。間質性肺疾患は、進行すると呼吸困難になってしまうなど、生命に関わる場合もあるため、症状に気が付いたら早いうちに専門医の診察を受ける必要があります。(参考:「全身性強皮症を相談できる病院を探す」)

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空咳

痰の出ない、コンコン
といった咳が出る

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労作時の息切れ

坂道や階段の上り下り
で息が切れる

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日常の軽い動作
での息切れ

疲れやすくなり、着替えや入浴などの日常動作でも息が切れる

自覚症状がなくても、肺の状態を定期的に検査することが重要です。

病気のはじめのうちは、あまり自覚症状はありません。病気が進行し、肺が硬くなる範囲が広がるにつれて、肺活量などの呼吸機能が落ちて息苦しくなったり、痰の出ない咳が出るようになります。そのため、自覚症状がないときや症状が軽いときでも、定期的に検査を受けて肺の状態を確かめることが重要です。

受診する際は、日常の生活で感じている息切れなどの症状を伝えましょう。ご自身の呼吸に関する症状について、チェックしてみましょう。

呼吸症状チェック

呼吸機能が低下していく患者さんは30%程度です。

肺が硬くなるスピードや範囲は患者さんごとに違います。また、呼吸機能が低下していく患者さんは、30%程度といわれています。一度肺が硬くなって呼吸機能が低下すると、正常な肺の構造が壊れてしまっているため、元の状態に戻すことは難しくなってしまいます。そのため、定期的に検査を受けて、病気の進行がみられる場合は、なるべく早く治療を開始することが大切です。

その他の肺の症状として「肺高血圧症(はいこうけつあつしょう)」がみられます。

肺高血圧症のうち肺動脈性肺高血圧症(はいどうみゃくせいはいこうけつあつしょう)は、肺に血液を送る肺動脈が狭くなったり、硬くなることで、肺動脈の血圧が高くなる病気です。肺動脈性肺高血圧症になると、肺への血液循環が低下し、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、労作時の息切れや疲れやすくなるなどの症状があらわれます。

その他の症状
説明

「胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)」や「下痢」、「便秘」があらわれることがあります。

食道が硬くなると、食べ物がのどにつかえたり、飲み込みづらくなります。また、胃の内容物が食道に逆流する「胃食道逆流症」がおこって、胸やけや吐き気、胸痛を感じるようになります。腸が硬くなると、慢性的に「下痢」や「便秘」が続くようになります。

「心不全」があらわれることがあります。

心臓の筋肉が硬くなると、心臓の機能が低下して、「心不全」をおこすことがあります。労作時の息切れや疲れやすさ、夜間の発作性の呼吸困難、食欲の不振などの症状がみられます。

「腎クリーゼ」があらわれることがあります。

腎臓の血管が障害されると、重い腎不全である「腎クリーゼ」がおこることがあります。頻度はそれほど高くありませんが、突然発症します。頭痛や頭部の不快感、めまい、尿が出なくなるなどの症状が急にあらわれます。症状に気が付いた場合は、すぐに治療する必要があります。

「関節のこわばりや痛み」があらわれることがあります。

手の指・手首や肘、膝などに痛みやこわばりがあらわれることがあります。関節が硬くなり、曲がったまま伸ばしづらくなる「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」になってしまうこともあります。

「眼や口のかわき」があらわれることがあります。

眼や口が乾燥するシェーグレン症候群を合併することがあります。涙の量が減って、眼がゴロゴロしたり、乾燥や異物感を感じるようになります。また、唾液の量が減って、口が乾燥しやすくなります。

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作成年月:2020年10月